8/23 8:30~10:30@鹿児島県日置「日の丸竹工(有)にて
面会:箕輪和憲社長、箕輪英徳常務取締役
「おいしい!」
「やわらかい!」
社長の奥さんから頂戴した水を味わうようにごくりとのんだ。ペットボトルで頂いたのだが、これは普通のペットボトルとは違う。中に孟宗竹の竹炭が漬けてある。「竹の吸収したミネラルが溶け出して山の水と同じようなもの」と社長は仰った。なるほど。味音痴の俺の舌なので、あてにはならぬ。それに、早朝から急な坂を2度も越えてきたあとなのでどんな水でもおいしく感じたのかもしれない。
しかし、その時俺は確かにまろやかなやわらかい感じを受けた。「多孔質の竹は150種類のミネラルを吸収するんや」公長斎小菅の社長の言葉を思い出しながら、竹が地中の栄養を勢いよく吸い取る姿をいつしか想像していた。
日の丸竹工は皇太子が植樹祭の折に使った竹の柄の鋸の生産者だ。その取り組みは多岐にわたっている。そのすべてが孟宗竹を使用している。竹の鋸は集成材とよばれる技術で作られているが、それと同じ技術を使った竹のバットづくり。うてばキンキンカリカリと鈴のような高くて綺麗な音を響かせる竹炭。カリウムを抽出して血糖値をさげる飲料水とするための漬けものみたいな竹炭。集成材として寒暖によらず精度を保つ高性能な三角スケールとなる孟宗竹の皮(すげぇ!)
質の良い竹から悪い竹まで、孟宗竹の肉の部分から果ては皮まで竹の使えるところ全て使っている。東洋竹工の大塚社長の言葉が思い返された。「工芸品からチップまで竹の適材適所の利用方法を考えていかんといかん」物腰柔らかく優しいお兄さんのような箕輪専務はこう言った「放置竹林の竹は竹炭やパルプの原料になります。6円/Kg・・・」
ぴんときた。
放置竹林を考え竹事業を構想するには、ひとつの製品ではうまくいかない。
放置竹林にこだわっているから竹自転車ビジネスを構築するのが難しくなる。
地域性の高い竹、ブランド竹、伝統工芸としての竹、竹炭、チップ、飼料、人のサプリメント、パルプ、バイオエタノールとして放置竹林の解決になる竹。竹の名刺、剣道の竹刀、弓道の竹弓、茶道の竹、おいしくやわらかい山の水のような竹炭を漬けた水。
「竹自転車でこれらを全部ネットワークのようにつないでやろう!」「竹自転車は乗り物!移動できるやん!つなぐんや!」「竹製品は高いので高い価格で取引していたら、利益率は高いかもしれぬがお客は限られるし量がでない」「製品としてではなく、サービスで売ればいいんや。京都でレンタル竹自転車のビジネスをして、竹芸店、竹炭工房、茶道体験、弓道体験、竹パルプのお店なんかを
色々と竹自転車で廻ってもらって、その休憩には竹炭を漬けた水をいっぱい飲んでもろうて、昼ご飯にはおいしい長岡京や鹿児島の筍ご飯を食べてもらおうやないか!」
尺八には京都の竹でないといけないという。竹自転車の心棒にもふさわしい竹が必ずあるに違いない。見つけたるで!時間はめっちゃかかるかもしれんがいつか自分の手で作ったる!
「この記事いいから読みなさい」と8/23の南日本新聞の切り抜きと竹炭あられと立派な竹炭を社長より頂いた。箕輪社長からの一生忘れられないありがたい心づくし。「今日は奇しくも俺の誕生日。俺のビジネスの発想記念日になるかもね」日の丸竹工の創業は、戦争で一家の主を失った婦人のために現地の資源「孟宗竹」を使って彼女達に何か仕事を与えられないかいうことから始まり、竹で下駄を作って売ったそうだ。心がすっとしてとてもいい気持ちになった。後ろ髪を引かれつつ帰路、伊集院の山深い道を竹自転車にまたがり下りながら通る風が心地よい。「竹炭あられも竹炭うどんもネットワークやな」。ぽつりと呟いた。鹿児島の日差しは今日も肌にまとわりつき肌の上を滑るように暑い。
日の丸竹工(有) http://www.nangin.co.jp/nnbcm/520/hino.html
写真1枚目:日の丸竹工本社正面
写真2枚目:皇太子の使用した竹の柄の鋸のレプリカ
写真3枚目:竹のバット生産過程
写真4枚目:竹の皮
Takashi 2010/8/25@フェリー船内
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